ある日、近所の喫茶店の店主を相手に和服の話をしているときに
隣の席に座っていたのが河口邦山でした。
「そんなに悩んでないで、少し和服からはなれて、
先生の作品でも商品化してみたら?」という店主の思いつきに、
河口邦山も「こんなのでよければどんどん使ってね」と
初めて会った私に明るく話しかけてくれたのです。
では試しに Tシャツのサンプルを作ってみよう!ということで作ったものが
『念ずれば花開く』でした。
出来上がったTシャツを見て、私も周りも驚きましたが、一番驚いていたのは
河口邦山でした。
『いい!これは思っていたよりも、すごくいい!!』
河口邦山の作品は、見ているだけで微笑ましいのですが、Tシャツとして
着用すると、動きがでてきて、さらに面白いのです。
また、大津絵の題材である「鬼の念仏」や「藤娘」がいかに魅力的な
キャラクターであるかということも、確信しました。
大人のためのキャラクター、ここに発見!の瞬間でした。
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